- ショップ運営ノウハウㆍ越境EC 越境ECとは?巨大市場を狙うメリット・デメリットと手続きの流れ 2021-03-16
- 越境ECの基礎知識やメリット・デメリット、実際に越境ECを始める方法などについてご紹介します。
- 越境ECとは?巨大市場を狙うメリット・デメリットと手続きの流れ
海外には、日本国内よりも遥かに大規模な市場が広がっています。品質面で秀でている日本の商品は、グローバルな市場でも十分に競争できると期待されています。
インターネットを利用すれば、そうした海外市場に向けて商品を提供することが可能です。そんななか、ECサイトで海外に向けて商品を販売・発送する「越境EC」が注目されています。こちらでは、越境ECの基礎知識やメリット・デメリット、実際に越境ECを始める方法などについてご紹介します。
| 越境ECの基礎知識
海外に向けて国際的に商品を販売する方法のひとつが「越境EC」です。販路拡大、売り上げ増加につながる方法として多くの企業に注目されています。以下では、越境ECの基礎知識をご紹介します。
越境ECとは?
越境ECとは、国境を越えて、海外顧客に向けて商品をオンライン販売するECサイトのことです。ECは「electronic commerce(電子商取引)」の略称であり、オンライン販売のサイトを意味します。
日本の製品は人気が高く、世界からの需要も少なくありません。越境ECを導入すれば、そうした海外の需要に応えられます。現地への出店有無を問わず、多くの企業が越境ECを検討しています。
越境ECが普及したきっかけは、中国人観光客によるインバウンド需要です。日本での旅行中に大量の買い物をした中国人観光客が、帰国後にリピート買いを希望するケースや、友人知人にすすめるケースが頻発しています。このニーズに応えられる可能性がある手法として、越境ECが注目されるようになりました。
越境ECの市場規模
経済産業省の調査により、日本・アメリカ・中国における2019年(令和元年)の越境ECの市場規模が発表されています。日本の市場規模は3,175億円であり、前年比の伸び率は14.8%となりました。アメリカの市場規模は1兆5,570億円となり、こちらの前年比伸び率は11.8%となっています。中国の地上規模は3兆6,652億円となり、こちらは前年比で12.3%伸びています。
中国消費者による日本事業者からの越境EC購入額は1兆6,558億円であり、前年比7.9%増となりました。一方で、米国事業者からの越境EC購入額は2兆94億円となっています。
いずれの国の市場規模も拡大傾向にあることがわかります。なかでも中国市場は圧倒的に大きく、この成長を支えているのが、アリババグループが開設した「天猫(Tmall)」、テンセントグループが運営する「京東商城(JD.com)」です。今後も多くの企業の参入により、世界的な越境ECの規模は拡大していくと予想されています。
越境ECの出店パターン
越境ECで出店するには、さまざまな方法があります。
ひとつは、現地のECモールに出店するパターンです。すでに現地で運営されているECモールのため、現地ユーザーに合った形のシステム、支払い方法で販売できます。
次に、日本で越境ECを行っているモールに出店するパターンがあります。基本的に海外販売の申し込みをするだけで手続きが完了するため難易度が低く、越境ECのノウハウがない場合や、作業のコストを削減したい場合におすすめです。多様な企業や業界でデータ連携が進み、「データ駆動型社会」の到来が予見されている現在、ますます需要が高まると見込まれています。
最後にご紹介するのは、個別販売するパターンです。個別のECサイトを立ち上げて販売する方法や、現地で主流のSNSを利用する方法などが挙げられます。ただし、これらは他の方法と比べてコストがかかり、多くの手続きが必要で、難易度が高いといえます。
| 越境ECのメリット・デメリット
越境ECは販路を拡大したい企業にとって有益な取り組みですが、実施する場合は注意点を把握しておくことが大切です。越境ECのメリット・デメリットについてお話しします。
メリット
越境ECの代表的なメリットは売り上げアップが見込める点です。世界の顧客へグローバルにアプローチすることで、客数を増やせます。日本の製品は海外でも品質面での評価が高く、海外への販路を設置することで有利に働きます。
実店舗を構えて販路を拡大する方法もありますが、この場合は出店コストが発生し、少なからずリスクがともないます。そうしたコストやリスクを低くできるのも、越境ECのメリットです。
デメリット
出店準備に手間がかかる点は、越境ECのデメリットとも言えます。販売する国の基準に合わせて、体制を整備する必要があります。具体的には、現地言語へのWebサイトの翻訳や、決済方法・発送方法などの調整が求められます。
また、支払いを受ける際のリスクもデメリットのひとつです。たとえば、海外クレジットカードの不正利用、為替変動による損失などが挙げられます。為替変動には日本円建て決済の導入、クレジットカードの不正利用はセキュリティの整備などで対処します。正しいインボイスの発行方法も押さえておく必要があるでしょう。
また、輸出入に関しても注意点があります。発送時の輸送コストは、日本国内への輸送と比較して割高です。さらに、輸送ルートの問題から、紛失のリスクもあります。
| 越境ECを始める流れ
越境ECを始めるおおまかな流れについてご紹介します。国内でのネットショップ開業とは異なる点も多くございます。今後、ECサイトをグローバル展開するにあたり、ぜひ参考にご一読ください。
商品の在庫を確保する
まずは、越境ECで販売する商品の在庫を用意します。その際、輸出に制限のあるアイテムを販売しようとしていないか、十分にチェックが必要です。危険物、ワシントン条約の対象となるもの、植物検疫の輸出条件で認められていないものなどは、誤って輸出してしまうと問題になる可能性があります。
出店方法を決める
続いて、越境ECの出店方法を決めます。各出店方法の固定費、変動費、リスクなどをまとめて比較し、最適な出店方法を採用しましょう。中長期的な目標も視野に入れて検討してください。支払い方法についても、この段階で定めます。
販促計画を立てる
越境ECを導入したからといって、自動的に売り上げが増加するわけではありません。適切な販促計画を立て、集客する必要があります。
まずは、海外のターゲットを詳細に設定しましょう。販促の手法を定めるためには、販売先のターゲットを明確にすることが必須です。続いて、ターゲットの購買意欲を喚起するよう意識して、施策を実施します。例として、スマートフォンを利用する若年層に対しては、SNSで動画を配信してアイテムの魅力を伝える方法が有効と考えられています。
発送方法を決める
海外への発送方法を検討しましょう。総量や、現地の顧客にとっての利用しやすさ、安全性などを考慮してください。このとき、国際発送では紛失リスクを考慮する必要があります。追跡サービスを利用できる発送方法を採用すると安心です。また、税関のホームページに掲載されている代表的な品目の関税率を確認し、把握しておきましょう。
| 越境ECを開始して海外市場へグローバル展開しましょう
注目されている越境ECについてお伝えしました。日本製品は品質面での評価が高く、海外市場でも十分に通用します。販路さえ整備できれば、多くの顧客獲得が期待できます。越境ECを導入すれば、海外へのアプローチを実現できるのがメリットです。
一方で、越境ECは準備にかかる時間や費用のコストをしっかりと確認する必要があります。海外への発送・支払い・受け取りに関するリスクも付きまといます。自社で対応しようとすると、課題が多いと感じるかもしれません。
「Cafe24」は、このような越境ECの手間を軽減し、海外へと販路を広げたい企業様をサポートするプラットフォームです。業種に関係なく、グローバルなビジネス展開を実現します。海外進出を検討している企業様は、ぜひご相談ください。